大変な時代だ。
いま身近なところで職を探している人が4人いる。
そのうちの1人から話しを聞いた。
食事は3日に1食。うどん一杯。
貯蓄なし。
月末までに家賃を工面できなければ強制退去。
行くあてもない。
都営アパートに住んでいる母親の家賃も半年滞納状態で
彼が母親に代わって支払ってきたがそれも滞り、
このまま行けば母親も家を失うかも知れない。
彼は学校で受けたいじめが原因で登校拒否になった時期があり、
学歴は中卒までだ。
仕事をしたくても「最低高卒まで」、「車の免許が必要」など、
条件が合致せず仕事をしたくてもできない。
あと2週間後にはヤミ金にお金を借りに行かなければならないとのこと。
それだけはやめておけといって、
今月の家賃は貸してあげることにしたが、
どう考えても、これ以上ないギリギリラインだ。
「人はそれぞれ自分の荷を担わなければいけない」と言われても、
学校のいじめ、生まれ育った家庭の貧しさ、社会の求める仕事の条件、
どれもこれも本人が持つべき荷じゃない。
社会の歪みが彼に負わせている荷だ。
必死に涙を堪えながら
「大丈夫です。なんとかします。」
という言葉を聞いて胸が苦しくて耐えられなかった。
明日、うちにあるご飯を持って行こうと思う。
お金を貸すことができても、このままじゃ先が見えてる。
とにかく今日は彼がなんとか窮地を切り抜けられるよう祈りつつ、
彼にできそうな仕事へ行き着けるように仕事探しを手伝った。
親切な仲間が何人も手分けして探してくれてる。
なんとかこの歪んだ社会の荷を担う助けになれればと切に願う日だった。
もちづき